鴨川デルタのすぐそばにある下鴨神社。葵祭やみたらし祭、足つけ神事で有名ですが、ほかにも見どころはたくさんあります。美人の祈願ができる河合神社や、糺の森での森林浴やイベントの数々。一度と言わず何度でもお参りにいきたい由緒ある神社なのです。見どころや周辺のおすすめスポットもご紹介します。下鴨神社に参拝される時にぜひ参考にしてくださいね。
下鴨神社ってどんな神社?
下鴨神社、正式名称は、賀茂御祖神社、通称下鴨神社と呼ばれており、日本最古の神社のひとつといわれています。
最古ってどれくらい前なんだろ?
下鴨神社のHPを見ると西暦544年には葵祭を催行していたそうです。弥生時代なんですって。
やや…弥生…。京都恐るべし。
「日本書紀」によると仏教が日本に伝来したのが552年だそうです。(他にも538年という説もあるそうです)
※「東アジアにおける仏教の伝来と受容」関西大学 薗田香融先生論文より
伝説では、賀茂建角身命という神様がが古代の京都をひらかれたとのことです。「京都の守護神」と下鴨神社のHPには書かれています。
1994年には下鴨神社と糺の森が世界文化遺産(古都京都の文化財)として登録されました。京都の人々が大切にしてきた証ですね。
八百万の神のおられる神社に、21世紀の私たちがお参りできるって、なんだか不思議な感じがしませんか?
下鴨神社はどんなご利益があるの
歴史をたどるだけでも
これはパワースポットだわ…
と思ってしまう下鴨神社。
西殿に祀られているのが賀茂建角身命。
この神社はサッカーやラグビーの勝利祈願で話題になることがあります。
「日本書紀」では、賀茂建角身命が神武天皇を八咫烏の姿で大和の橿原まで先導した功績が描かれています。そのため賀茂建角身命が「勝利の神様、厄除け、合格祈願、旅行や交通安全」などのご利益があるとされているのです。
なるほどーー
私たちがお願いするだいたいのことを司っておられますね。
そして東殿に祀られているのが、「婦道の守護神」玉依姫命です。縁結び、安産、育児、水を司る神様だそうです。女性はこちらもお願いしたいことがありそうですよね。
上賀茂神社とのつながり
上賀茂神社の神話の説明を読むと、上賀茂神社でお祀りされている「賀茂別雷大神」のお母様が、河合神社の玉依媛命。
玉依姫命のお父様であり賀茂別雷大神のお祖父様が、下鴨神社の西殿に祀られている賀茂建角身命。
上賀茂神社では息子さん、賀茂川下流の下鴨神社ではお母様とお祖父様がお祀りされているのです。両神社とも御神紋は葵の葉。深いつながりを感じますね。
下鴨神社へのアクセス
電車とバスで行く/京都駅・阪急京都河原町駅 から
205系統(四条河原町・北大路バスターミナル行き)
4系統(四条河原町・上賀茂神社行き)
両系統とも「新葵橋」下車→目の前に鳥居が見えます。糺の森の入り口です。
電車と徒歩で行く/阪急京都河原町駅下車(京阪電車も同様です)
鴨川を渡り京阪祇園四条駅から出町柳行きに乗ります。
3つ目の駅が「出町柳」駅。そこから西に(鴨川を渡り)歩いて5分です。
車で行く/下鴨神社併設の駐車場
下鴨神社西駐車場が、この神社併設の駐車場です。24時間オープンしています。
7:00〜19:00 | 30分ごとに200円 (最大料金 1,200円) |
19:00〜翌朝7:00 | 30分ごとに200円 (最大料金 1,200円) |
ただし1月1日〜1月5日までは 最初の60分までは500円とのこと。 |
下鴨神社公式のX(Twitter)で、混雑時(年末年始や御手洗祭、名月管絃祭など)は「上記駐車場が何時間待ちになります」とアップされていました。基本的に公共交通機関で行くのがおすすめです。
糺の森を進んでみよう。
糺の森
電車やバスで到着すると、糺の森を抜けることになります。ここは賀茂川と高野川の合流地点。約12万㎡もの大きな森なのです。
一説によると樹齢200〜600年の木もたくさんあるそうです。
京都の人々が大切に育ててきた森なんですね。
この神社の参道はこの深い森の中を進みます。ここを歩くだけでなんだか心が浄化されるような心持ちに。どんな神社なんだろうと楽しみも深まりますね。
河合神社。糺の森の入口左側にあります。
糺の森に入ってすぐ左側に「河合神社」があります。本殿に行く前に、ここは女性はぜひ参拝してほしい神社なのです。
玉依媛命が祀られている摂社なのですが、小さな祠ではなく立派な神社です。
天武天皇をお産みになった美しい女性とのことで、「美麗の神」として信仰されています。
その他にも安産・育児・縁結びなどにご利益があります。
こちらで有名なのは「鏡絵馬」。かわいい手鏡のような絵馬に、ご自身のメイク道具(神社にも描けるものあり)で直接描きます。絵馬にメイクするための屋根付きの小屋(?)もあるので思う存分化粧してあげてください。
裏にはお願いごとも書き入れましょう。これで外見も内面も美しい女性になれるかも…
それを神社に奉納します。
鏡絵馬と一緒に頂ける「御供米(おくま)」は神様に奉納されていたお米です。ご自宅で一緒に炊いて食べていいそうです。
どきどき。ご利益ありそう
絵馬を描いたら、一息入れてくださいね。お土産も販売している休憩処で、美人水をいただきました。この飲み物は河合神社境内で収穫されたかりんの実と御神水で作られているそうです。かりんの実の効能はずばり「美肌」。さすが徹底して美人主義ですね。
体内から美人になりそうですね
さて女性のための河合神社の中に、境内末社として「任部社」という祠があります。
こちらにお祭りされてるのは八咫烏そのものなので…
つまりサッカーの神様なんだね!
ふふふ。そのとおりです。
なんだかたくさんお願いごとができて満足しちゃうのですが、全然本殿にはたどり着いていませんね^^;
再び糺の森に戻りましょう。
下鴨神社 本殿参拝
糺の森で森林浴をしながら本殿をめざします。迎えてくれるのが南口鳥居、そして楼門です。
楼門の美しさに目を奪われます。
楼門とその中の中門をくぐると、それぞれの干支を司るお社(言社)があります。ご自身の干支や、気にかけている方の干支にお参りするのもいいですね。
本殿でしっかりお参りしたら中門まで戻ってきましょう。
水みくじ
いつもの御手洗池では、こんなおみくじも楽しめます。水みくじです。(初穂料300円)
賀茂川と高野川からの伏流水が湧き出ると言われる御手洗池の水に触れるよい機会ですね。濡れた水みくじをいれる「水みくじ持ち帰り用袋」も330円で販売されています。至れり尽くせりです^^
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お祭りをからめて行くともっと楽しい。
通常の日にお参りするのはもちろん、例祭や月次祭をからめて行くともっと思い出が深まります。
私はみたらし祭り(夏越神事)に行きました。
これは通称「足つけ神事」で知られる御手洗祭です。毎年、土用の丑の日の前後、境内の御手洗池の湧き水に足を膝まで浸して献灯し、無病息災を祈る、という行事なのです。
お昼から「足つけ」できるのですが、夜に行くとさらに幻想的です。
電灯が最小限に抑えられている中、ろうそくの火をたよりに、御手洗池に裸足で入るのです。
幻想を通り越して、神々しさすら感じます。確かに無病息災のご利益がありそうです。
御手洗祭 毎年7月21日~30日 20時まで。 灯明料 300円 |
この御手洗池、昔から土用の丑の日あたりになると池からぷくぷくと地下水が湧き出るそうです。
ええ~⁉ 不思議!
この丸い形から「みたらし団子」が生まれたと言われています。
なんと! みたらし団子発祥の地だったのね?
ほかにも5月3日には流鏑馬神事、5月15日には賀茂祭(葵祭)が行われます。
そのほかにも神事はたくさんあります。下鴨神社のHPをご覧くださいね。
糺の森はときどき市民のお祭りに
広大な森と広々とした参道を持つ糺の森は、市民がイベントを開催していることもあります。
有名なのは「下鴨納涼古本まつり」です。毎年お盆の8月11日から16日まで行われます。8月16日は五山の送り火の日ですね。送り火を絡めて下鴨神社で過ごすのもよいですね。
(2023年の8月15日は台風が近畿に近づきそうだということで一日だけ中止になりました。情報は要チェックです。)
糺の森博覧会
ハンドメイド作品やお菓子、アート作品におもちゃなど、店主さん思い思いの小さなお店が並ぶ博覧会。2023年は8月27日の日曜日に開催されました。2024年も開催予定だそうです。
森の手づくり市
こちらはだいたい一ヶ月に一度、1日開催や2日開催など定期的に糺の森で開催される手づくり市です。音楽イベントもあって、とても楽しい催しです。
京都市民も散歩がてら訪れる糺の森の風物詩のようなイベントです。
下鴨神社周辺でのお昼ごはん
下鴨茶寮
おすすめのお店はなんといっても下鴨茶寮さんです。とても贅沢な京都のお料理が楽しめます。
懐石は決してお手軽とはいえないお値段ですが、もしも記念日で京都を訪れるのなら下鴨茶寮で素敵な時間を過ごしてくださいね。きっと素晴らしい思い出になりますね。
そして、とっても気になるのがアフタヌーンティです✨ 可愛すぎます!
平日14時から17時/土日祝は15時から17時 の時間に楽しめるんです。お写真の通り、ちょっと和風なアフタヌーン。これはぜひ伺いたいですよね。
お食事だけでなくアフタヌーンティも予約できるので、下鴨へ行くご予定が決まればお早めに^^
下鴨デリ
もっとお手軽に洋食のランチを頂くなら、下鴨デリがおすすめです。下鴨神社の本殿から下鴨本通に出てすぐのところにあります。パスタランチなどを頂けます。
どのお料理も手間が込んでいて、味わい深いのです。
こちらはデリというだけあって、デリカテッセンをテイクアウトできます。鴨川沿いで下鴨デリランチをするのも素敵ですね。
下鴨デリ https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260302/26020060/
加茂みたらし茶屋
下鴨デリの前の横断歩道を渡った斜め向かいに、とっても有名なみたらし団子のお店があります。それが加茂みたらし茶屋さんです。
大正11年(1922)の創業のこちらのお店は、みたらし団子が主力ですが、羊羹やわらび餅など甘味処なメニューも豊富です。お持ち帰りもされているので、後ほどご自宅やホテルでゆっくり食べるのもいいですね。
下の写真は夏のみたらし祭り(足つけ神事)の時、境内の参道に出ていた「みたらし茶屋」さんです。
よーく見るとちゃんと1つ目のお団子と2つ目以降のお団子たちの間が離れていますね。これがこちらのみたらしの特徴です。
加茂みたらし茶屋 https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260503/26001758/
下鴨神社周辺をお散歩
出町ふたば
「名代豆餅」でとっても有名な京都のおまんじゅう屋さんですね。季節ごとのおまんじゅうやおもち、お赤飯なども置いています。
平日でも行列ができている人気店です。行列が進んでショーケースの前までくると、あれも欲しいこれも食べたいとめちゃめちゃ迷います。日持ちしないので、その日に食べられる量しか買えないところも悩ましい^^
そこがまた魅力的ですね。また来たいと思っちゃいます。
出町ふたば tabelog.com/kyoto/A2601/A260302/26001520/
名代豆餅なら、河原町の京都高島屋・烏丸の大丸京都店で買うこともできますよ。
JR京都駅隣接のJR京都伊勢丹では事前予約もできるようです。
コーヒーハウス マキ
出町ふたばの前の大通りをちょっと北上したところにある喫茶店です。こちらはモーニングセットが有名ですが、コーヒーそのものもとっても美味しいのです。コーヒーゼリーやフレンチトーストなどもおすすめです。
京都には全国レベルで有名な喫茶店がたくさんありますが、こちらはここ一店舗。わざわざ訪れる価値のあるお店です。京都の喫茶店文化の豊かさ奥深さを感じます。
近所なら毎日通いたい喫茶店だよ
出町枡形商店街
出町ふたばは、出町枡形商店街の入口そばにあるお店です。豆餅を買ったあと、この商店街を覗いてみませんか。味わい深い店舗や古本屋さん、映画館もあります。下鴨の地元の人の台所と憩いの場といったところ。散策も楽しいですよ。
帰る前に鴨川デルタで ちょっと遊ぶ。
下鴨神社と糺の森はもともと、賀茂川と高野川の広大な三角州の上にあります。鴨川デルタはその突端ともいえる場所です。
ゆっくりお参りして、食事やおやつも楽しんだら、三角州に降り立ってみましょう。そして飛び石を渡ってみてくださいね。ここではみんなが笑顔です。
しかめっつらで飛び石渡れないですもんね
さっと観光するつもりが下鴨周辺だけで一日遊んじゃった、そんな休日になると思います。時間に余裕を持って巡ると安心ですね。
歩けばいろんな顔を見せる下鴨神社とその周辺をご案内しました。きっと心洗われる時間を持てることと思います。ぜひお散歩しにいらしてくださいね。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。あなたの京都が素敵な思い出で染まりますように。
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